腸の免疫が上がると健康を維持できる

生物は管である・・・

いや、頭や手足もあるじゃないの?!
って言葉も聞こえてきそうですが

口→食道→胃→各腸→肛門と

ひとつながりで、両端が口と肛門で
外と接する管になります。

母親の胎内でたった一個の受精卵が
数日かけて細胞分裂しながら子宮内に
落ち着きます。
さらに分裂を続けて、中空の細胞の
かたまりになります。
その一部がくびれて内側に陥没し
始め、先端が反対側に達したところで
融合し管の形になります。
その管が腸になり、表面がふくらんだり
へこんだり伸びたりして、
顔や手や足ができていきます。

と、いうことで基本的には1本の管
なんです。

ちょっとここで、海の生物でもかなり
原始的なあのナマコの姿を
思い出してみましょう。
ナマコには、脳も、心臓も、目も、
鼻も、手も、足もありません。
口と腸(消化管)と肛門があるだけの
土管のような体で、ちゃんと海底を
動き回ってエサを探して、食べて
生き続けています。
ミミズやナメクジもほぼ同じです。

脳や心臓のない生物はいても、
腸のない生物はいないのです。

ナマコもミミズもナメクジもヒトも、
生きる基本は「食べて、消化して、出す」
です。
彼らを下等動物などと呼びますが
口、腸、肛門が繋がった管状の生物と
いう意味では、みんな全く同列です。


小腸は独自に働く第二の脳


小腸は脳からの神経細胞がほとんど
つながっていないので、脳の支配下に
なく、
小腸の細胞は脳を無視して生きている
と、言えます。
胃や肝臓・腎臓などは腸から分化した
臓器なので、肝臓に「胆汁」を出せ
と指令を出したりするのも
小腸が自己判断で行っています。

脳に干渉する場合もあります。
毒物や腐ったものが口に入ると、
腸は瞬間的に神経細胞を介して
脳の嘔吐中枢を刺激します。
「吐く」ことで体へのダメージを
最小限に食い止めようとするわけです。

人はたとえ脳死状態になったとしても
小腸の中に栄養が入ってくる限り
それを消化することができます。
熟睡していても失神しても
強い麻酔をかけられても、認知症になっても
小腸の号令でちゃんと消化液が出るし
有毒なものが入ってきたら排出したり
中和したりする反応がおきます。

腸の中でも大腸は、進化の過程で
小腸の働きをフォローする為に
できた器官なので
大腸は脳と神経で繋がり、自律神経の
支配を受けてストレスに敏感に反応します。
心配事や悲しいことがあったり
大事な試験の前に神経性の
下痢や便秘をしやすくなるのは、そのせいです。

大腸には脳と同じ神経が多く分布し
密接なネットワークで結ばれています。
大腸と脳は自律神経で繋がり
いつも情報をやりとりしています。
脳が不安やあせり、プレッシャーなどの
ストレスを感じると、自律神経を介して
それが瞬時に大腸に伝わり
便秘や腹痛・下痢を引き起こします。